競輪の車券の一つに「ワイド」という賭け式があります。
ワイドとは、車番で1〜3着内の2選手を着順にかかわらず的中させる賭け式のこと。
全7種類の車券のなかでは、最も的中しやすいと言われています。
しかし的中させやすい分、払戻金が安くなっています。そのため、ワイドはまずは的中させたい競輪初心者向けの車券と言えますね。
今回は、「ワイド」の特徴から予想のコツなどをご紹介していきます。
競輪のワイドとは?
競輪のワイドとは、車番で着順にかかわらず1着~3着に入る2車を当てる車券のこと。ワイドの正式名称は「拡大二連勝複式」と言います。
的中する買い目が、1つのレースで3通りあることが特徴です。
例えば、着順が「①-②-④」になったときを見てみましょう。
ワイド「①=②」「①=④」「②=④」
以上の3種類が、すべて的中となります。
着順を当てなくても良いので、まだ予想に慣れていない競輪初心者でも利用しやすいことが特徴ですね。
ワイドは全何通り?:9車立ては全36通り
ワイドは、9車立てのレースで購入する際には「全36通り」の買い方になります。
具体的に説明をすると、
- 9車から2車を選ぶときの場合の数は「9×8=72通り」
- ワイドは着順を的中させる必要がないので、例えばワイド「1-2」とワイド「2-1」は、同じワイド「1=2」として扱える
- 先ほどの「72通り」から順番を入れ替えをなくし、全通りは「72/2=36通り」
予想が難しいレースの車券を買うときに、車券を手広く買う買い方「ボックス買い」を行う際に覚えておきましょう。
7車立ては全21通り
また、7車立ては「全21通り」です。
- 7車から2車を選ぶときの場合の数は「7×6=42通り」
- 「42通り」から順番を入れ替えをなくすと、全通りは「42/2=21通り」
以上のように、9車立てとは数字が異なるので予想するレースによって使い分けておきましょう。
ワイドの的中率は?
ワイドの的中確率は、
- 9車立て→「1/12(3/36)」
- 7車立て→「1/7(3/21)」
そして「%」で示すと、9車立て全通りが「36通り」、的中する買い目が1つのレースで3通りあるため「3/36」=「8%」となります。
一方の7車立ては「3/21」=「14%」。
毎レースごとに3組の的中車券が生まれるため、ワイドの的中確率は全7種類の車券の中でも最も高い的中確率と言えます。
ワイドのオッズは?
競輪のワイドのオッズは、
- ワイド全体の売上
- ワイドの買い目ごとの売上
以上によって計算されます。
計算の結果から、
- 当たる可能性が高く、人気のある買い目→オッズは低い
- 当たる可能性が低く、人気のない買い目→オッズは高い
とイメージしておくと、競輪初心者でも分かりやすいでしょう。
ワイドのオッズの見方は?
ワイドのオッズは「〇〇.〇〜□□.□」のように、幅をもって記載されています。
オッズの幅を持たせているのは、的中する買い目が3通りあるため、レース結果が決まるまでオッズが確定しないためです。
つまり、
- 堅いレース結果のとき→低いオッズ
- 荒れたレース結果のとき→高いオッズ
以上が適用されると考えておきましょう。
例えば、上記の画像のようにワイド「1=2」には、堅いレース結果では2.3倍のオッズが付き、荒れたレース結果では2.6倍のオッズが付くという見方ができます。
堅いレースか荒れたレースか判断が難しい場合は、振れ幅の中間のオッズが付くと考えておくと良いですね。
ワイドのオッズの計算方法は?
ワイドのオッズは「払戻金の総額/的中車券の売上」で計算できます。
また、払戻金の総額は「{的中車券の売上+(不的中車券の売上/3)}×0.75」で計算可能です。
実際に計算をしてみましょう。
例えば、とあるレースのワイド全体の売上が「2万円」、買い目ごとの売上の一部が下の表だったとします。
買い目 | 売上 |
---|---|
1=2 | 4,000円 |
1=3 | 2,000円 |
2=3 | 1,000円 |
2=4 | 500円 |
3=4 | 300円 |
レース結果が「1-2-3」とすると、不的中車券の売上は「20,000円-(4,000円+2,000円+1,000円)=13,000円」となりますよね。
ワイド「1=2」の払戻金の総額は「{4,000円+(13,000円/3)}×0.75=6,249円」、オッズは「6,249円/4,000円=1.5倍」。
同じように、ワイド「1=3」の払戻金の総額は「{2,000円+(13,000円/3)}×0.75=4,749円」、オッズは「4,749円/2,000円=2.3倍」。
また、ワイド「2=3」の払戻金の総額は「{1,000円+(13,000円/3)}×0.75=3,999円」、オッズは「3,999円/1,000円=3.9倍」ですね。
以上のことから、多く購入された人気の車券ほどオッズが低く、購入数が少ない不人気の車券ほどオッズが高くなると言えますね。
ワイドの最高払戻金額は?
ワイドの最高払戻金をランキングでご紹介します。
順位 | 競輪場 | 払戻金 | 開催日 | グレード | レース | 組番 | 人気順 |
1 | 松阪 | 104,970円 | 2016/04/24 | F2 | 7R | 5=7 | 21 |
2 | いわき平 | 90,600円 | 2016/03/27 | F2 | 6R | 1=3 | 12 |
3 | 観音寺 | 66,450円 | 2009/06/25 | F2 | 5R | 2=8 | 20 |
4 | いわき平 | 58,050円 | 2002/12/29 | F2 | 10R | 3=6 | 35 |
5 | 平塚 | 52,070円 | 2018/10/10 | F1 | 4R | 4=6 | 35 |
6 | 京王閣 | 49,770円 | 2016/11/05 | F1 | 1R | 1=7 | 15 |
7 | 富山 | 46,120円 | 2014/06/07 | F2 | 11R | 4=7 | 27 |
8 | 小松島 | 45,920円 | 2018/11/10 | F1 | 10R | 4=8 | 36 |
9 | 松山 | 44,800円 | 2015/06/29 | F2 | 9R | 6=8 | 36 |
10 | 青森 | 40,320円 | 2002/07/29 | F1 | 5R | 8=9 | 34 |
最高払戻金額は、2016年4月24日の松阪競輪場で出た104,970円でした。
ワイドでの予想・買い方のコツは?
ワイドで勝つためには、予想のコツをしっかり押さえておくことが大切です。
ここでは、ワイドでの予想・買い方のコツをご紹介していきます。
- 買い目点数は1〜2点に絞る
- 同じラインの2車を購入する
- 1,000円以上は購入しない
①:買い目点数は1〜2点に絞る
まず、ワイドでは買い目点数を1〜2点に絞りましょう。
ワイドの場合、買い目点数を絞らないと勝つことが難しいためです。ワイドのボックス点数をまとめると次のようになります。
選んだ車番の数 | 買い目点数 |
2車 | 1点 |
3車 | 3点 |
4車 | 6点 |
5車 | 10点 |
6車 | 15点 |
7車 | 21点 |
8車 | 28点 |
9車 | 36点 |
ボックス買いは、複数のパターンをまとめて購入できるため1着だけ予想するより的中率が上げることができます。
しかし、ワイドはオッズの変動が起きやすいですし、ボックス買いをするとトリガミになる確率も高くなります。
そして、ワイドの平均払戻金は「800円」ですが、平均払戻金は大穴車券によって引き上げられます。
実際の感覚としては、
- 堅いレース→100~400円
- 荒れたレース→500~1,000円
以上の払戻金と考えておいて良いでしょう。
そして、車券を「3点以上」買ってしまう場合もトリガミになりやすいので、的中した際にプラスになりやすいのは「1~2点」と言えます。
②:同じラインの2車を購入する
次に、ワイドを買う際は同じラインの2車を購入しましょう。具体的には、次の4つのステップで購入を行います。
- 競輪場のモニターや競輪投票サイトのライン予想でラインを確認する
- ライン同士の競走得点を見比べて、強い選手を調べる
- 一番強そうなラインを選ぶ
- ライン内の競走得点の高い2車を選ぶ
以上を行うことで、的中確率の高い買い目を選ぶことができます。
払戻金額は低いですが、初心者は軍資金を稼ぐためにもまず当てることが大切です。
そのため、強いラインを作っている2選手を選ぶ方法を使うと当たりやすいです。
③:1,000円以上は購入しない
三つ目のコツは、1点あたりの購入金額を「1,000円以内」に抑えることです。
なぜなら、ワイドのような券種は、購入金額を増やしてしまうとオッズが変動してしまう可能性があるため。
オッズは、車券の種類ごとの売上で計算されており、人気の高い車券ほど低くなります。
ワイドの売上は、7種類の車券の中でも最も少ないです。つまり、1点当たりの購入金額を大きくし過ぎると、自分の購入によってオッズが下がってしまうことに。
そこで、1点当たりの購入金額を「1,000円以内」にすると、オッズへの影響を少なくすることができます。
ちなみに、G3以上の大きなレースであれば、売上が大きくなるので「5,000円以内」くらいでもオッズへの影響が少ない場合もあります。
予想に慣れ、さまざまなレースを予想するようになったときは、規模によって臨機応変に対応しましょう。
まとめ:「ワイド」は競輪初心者におすすめの車券
今回は、競輪の車券の一つ「ワイド」について解説しました。
〜「ワイド」のまとめ〜
- 車番で着順にかかわらず1着~3着に入る2車を的中させる
- 的中率は9車立て→「1/12(3/36)」、7車立て→「1/7(3/21)」
- オッズが変動しやすい
- 的中する買い目が3通りあるため、レース結果が決まるまでオッズが確定しない
- 予想の際は買い目点数を1〜2点に絞る
- 同じラインの2車を購入する
- 1点あたりの購入金額を「1,000円以内」に抑える
競輪のワイドの予想は、他の車券との比較をすると簡単と言えます。
そのため、「競輪を始めてみようかな…でも当たるか不安でルールもよく分からない」と感じている競輪初心者でも的中させやすい車券です。
まずはワイドを購入して、徐々に競輪予想に慣れていきましょう!
参考にした記事:競輪 ワイド